土日時間外相談対応24時間毎日受付

原則として平日9:30~17:30
予約で土日祝日営業時間外も法律相談対応

▲ メニューを閉じる ▲

ペットの病気と怪我 2023.6.28

1 ペット産業の発展・拡大とともにペットトラブルの様相も大幅に変わってきました。

一言でいうと、ペットが加害者から被害者に変わってきました。

咬傷事故の比率よりもペットショップ、動物病院、ペットホテル、ペット美容院といったペットが取引の対象とされる場面でのペットの障害事故(疾患、怪我等)の比率が増えてきました。

背景には、ペット産業の急激な市場拡大とそれに追いつかない専門的スタッフや設備の不足や飼主の認識の高度化が挙げられます。

2 ペットが障害事故に遭った場合に最初にすべきことは、①交渉材料の収集と②相手方の交渉方針の調査・分析です。これは、飼主でも事業者でも同じです。

(1)交渉材料の収集

真実を知ることと交渉材料の収集は分けて考える必要があります。交渉材料の収集は交渉目的に沿ったものでなければなりません(目的適合性)。

当事務所に相談に来る方の多くがたくさんの資料を準備されています。真実を知るために大変な労力を使ってご苦労されています。飼主にその傾向が見られます。しかし、どんなに真実を知ろうとしても限界があります。それは相手方の説明がなければ真実が分かりませんが、相手方の説明では到底納得が出来ないからです。

ここで、資料収集の目的を考える必要があります。資料収集の目的が真実を知ることであれば良いのですが、相手方に謝罪や賠償を求める場合、相手方との間のトラブルを沈静化したい場合、将来的に改善策を検討したい場合などのそれ以外の目的の場合にはそれに沿った範囲で資料収集をし、早くご相談に来られた方が、後日の交渉のためにエネルギーの節約になります。

(2)早期相談

まずは必要不可欠な資料を準備した上でできるだけ早期に弁護士に相談して下さい。

弁護士の相談によって交渉戦略を立て、戦略の目的に沿ってそれ以外の資料を準備した方が効率的です。

(3)必要不可欠の資料とは?

契約関係を証明する資料(診療契約書、売買契約書、サービス提供契約など)とペットの障害(疾患や怪我など)の内容や程度が分かる診断書や診療記録などです。

(4)契約関係を証明する資料

何かしらの契約を結んだからこそ、代金を支払ってペットを購入したりサービスを受けたのですから、その契約の成立や内容が分かる契約書などの資料が基本資料として必要です。

ところが、業者によっては契約書も満足に揃えていないところがあります。

動物愛護管理法上の飼養方法に関する細かい注意書きは作ってあるのですが、ちゃんとした契約書は作っていません。

これでは契約内容が分からないので解釈を巡ってトラブルが起こります。

事業者はトラブル防止のために、飼養者はトラブルが起きたときの権利義務関係を事前に知っておくために契約書は必要不可欠となりますが、まさにトラブルが起きたときには基本的な紛争解決基準となります。

(5)ペットの障害(疾患、怪我)を裏付ける資料

ペットに障害があるか否か、障害の程度は責任問題の前提となります。診断書、診断記録、診療明細、領収証などの資料が考えられます。

また、「障害」は人によって評価が変わる可能性がある価値的概念なので、その内容・程度が獣医学上の障害といえるのか、責任追求の対象となる損害に該当するのかといった観点から検討することも必要であり、獣医学上の文献、行政や学会の参考資料がなどが意味を持ちます。

(6)安心してください

もっとも、これらの資料は最初から全部揃っていることは稀なのでそれほど心配する必要はありません。要するに、資料探しに時間を費やすよりも、少しでも早くご相談に来て欲しいのです。ご相談の中で足りない資料や準備する資料の打ち合わせをするのが望ましいと言えます。

3 相手方の交渉方針の調査・分析と相手方に対する交渉の態度について

飼主側も事業者側も感情的な表現や相手方を非難する表現は避けた方が良いと思います。

信頼関係が崩壊し、交渉決裂してから、裁判所の力を借りないで円満解決を図ろうとしても困難なことが多く、また、双方の協力による資料収集も難しくなるからです。その結果、交渉戦略の選択肢を自らが狭めることとなります。

そして、必要不可欠の資料を準備した上で、早期の相談を行い、相手方に対応することになりますが、2②で指摘した、相手方の交渉方針の調査・分析が必要不可欠となります。

相手方がどのような考えに基づいてどのような交渉を行うのか予測して、それに対応した適切な交渉戦略を立てる必要があります。そのためには相手方の交渉方針の調査・分析をすることが不可欠になります。

この問題は「法交渉心理学入門(連載)」のテーマとなりますが、ペット障害事故特有の問題もあるので、相手方の交渉方針の調査・分析については次回に取り扱います。

まずは、法律相談のご予約をお入れ下さい。法律相談のあと、そのまま依頼しなければいけないという事はありません。お気軽にご相談にいらして下さい。

弁護士が直接お話を伺います。その上でお客さまにとって最善の解決策をご提案いたします。相談のみで解決した場合はこれで終了となります。

弁護士から解決策や費用などの具体的な提案があります。その上で依頼したいかどうか判断して下さい。もちろん、持ち帰ってお考え頂いて結構でございます。

委任契約後、弁護士は直ちに活動を開始します。その後は、こまめにお客様と連絡をとって進捗状況を報告し、お客様のご意見を伺いながら、案件の対応を進めていきます。

〒106-0032 東京都港区六本木7-3-13 トラスティ六本木ビル8階